『VOCALOID2 猫村いろは』とアイマス化する世界

Windows 100% 2010年 08月号 [雑誌]

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猫村いろはさんかぁ〜。なるほど納得。
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Windows100%』付録のユーザーモデルになったのが唐突だな、と思っていたのだけれども、つまり

というかキティラーからボカロ化するならリオだけで済ますわけにはいかないわけで、ちょっと無理がある推測だったかなと自分でも思う

ガチャッポイド…… - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地)

を本気でやる気かぁ。

ちなみに、AHSではさらに2つのVOCALOLID企画が進行中とのことで、いったいどんなモノが出てくるのか、今後もますます目が離せない…でつな^^

初音ミクみく 出た!公式サイトに「VOCALOID2 猫村いろは」の製品情報

愚直に kittyler01 から

VOCALOID 化して行くということかも*1。UTAU 界隈でユーザーサイドでやられていたこと*2をキャラクタービジネスの大御所が本腰入れて始める、と。
辻ちゃん×キティちゃんHAPPY LIFE
ハローキティそのものではなく、キティラーのキャラクター化である「ハローキティといっしょ!」でのコラボだ、という時点で気づいていてしかるべきでした。自分の不明を恥じるばかり。

キティラー、つまりキティちゃんファンのメインは女の子*3であって、これは例えば AKB48 あたり女子のファンが多い、というのと同様の「自分を重ねられるアイドル」その具現化。イラスト描いて良し歌わせて良しコスプレして良し、そして MikuMikuDance で踊らせて良し。

ニコニコ動画界隈での御三家、つまり東方*4アイマス*5ボカロ*6の楽しみ全てを兼ね備え、そしてメインターゲットは女子。

ユリイカ2010年9月号 特集=10年代の日本文化のゆくえ ポストゼロ年代のサバイバル
 大手レコード会社として知られるエイベックス・グループは、二〇〇五年四月に従来型の音楽・映像ソフト企業からエンタテイメント・ブランド企業へと脱皮することを謳った構造改革ビジョンを発表している。音楽コンテンツの制作販売により利潤を得るという発想から脱却し、エイベックスという組織、さらには個々のアーティストのブランド価値を高め、その顧客吸引力を基軸として安定した収益基盤を確保する、というこのビジョンは、音楽産業がもはやアーティストの創作物をオーディエンスに媒介する、という擬制をかなぐり捨て、ブランドビジネスの論理へと移行しつつあることの一例である。
ユリイカ2010年9月号 特集=10年代の日本文化のゆくえ ポストゼロ年代のサバイバル
『水に歴史はない』(増田聡) p165

そのエイベックスが打ち出してきたボカロが Lily。アニソン歌手の yuri@m.o.v.e ではなくそのキャラクター化の Lily@anim.o.v.e をボカロ化というのはそういう文脈。
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けいおん!』の音楽が紹介される時、それを歌っている中の人の声優でも、作詞作曲者でもなく『HTT』*7の曲、として紹介される、というのと同じ。

初音ミク』を使って曲を発表するということは、古典的なDTMとしてオリジナル曲を(愛好者同士で)開示し合うことよりも『アイドルマスター』のようなネットゲームに参加することにより近い、と言うべきでしょうか。自分のプロデュース(育成)したアイドルで他のプロデューサーのそれと人気勝負。ただ1つ『アイマス』と違うのは、Pが曲までエディットできる、という点。違いはただそれだけ。

“初音ミク”はキャラクタービジネスである。 - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地)

初音ミクの成功物語に自己同一化したオタク界隈に起きたことと同様のことを、よりメジャーシーンである女子向けキャラクタービジネスの世界でも再現できるか。サンリオの試みは単なる「ボカロが増えた」という枠には収まらない野心的なもの。

アイドルマスター作中での 765プロと 876プロの競争、と同様のことがリアル世界を舞台にしてエイベックスとサンリオで行われる。そういう時代に既になってしまった。

そしてそこでやり取りされるゲームトークンは CGM とその UGC。つまり今これを書いたり読んだりしている私や貴方は既にそのゲームの登場要素になってしまっている。「ニコ動に動画を上げる」「blogの記事を書く」のは無論として「ニコ動で※する」「Twitterでつぶやく」のも、いや単に「Googleで検索する」「アクセスカウンターを回す」だけでも、もうそのゲームの構成要素。望む望まないに関わりなく。
アルビン・トフラー―「生産消費者」の時代 (NHK未来への提言)
「プロシューマー」という古い概念は完全に過去のものとなり「WWW = 世界ゲームのプレイヤー」つまり「消費としての生産」をするユーザーという概念だけが残るのでしょう。
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*1:さすがにキャラは選んでくるだろうけれども。……だよね?

*2:キャラクター主導の音源化のインフレ

*3:というかどちらかというと「元、女の子」かも(^_^;

*4:女子中心のキャラクター群像劇

*5:アイドルのプロデュース

*6:無論、MikuMikuDance も含めて

*7:放課後ティータイム』。作中でのキャラ達のバンド名