15×24

ライトノベルというよりヤングアダルトな感じの群像劇――
――と1巻目読み終えた時には思ってたのですが。2巻で一気にスーパーナチュラルで裏社会な感じのスラップスティックに転化。

2巻同時刊行ということで話は(少なくとも1エピソードが)完結しているかと思っていたらば

continued to “link three”……
p355

と、あとがきも挟まずに3巻に続く*1。なので今の時点で内容にどうこう言うことも無いのですが。

登場する「視点キャラ」中ではオサリバン・愛あたりに共感するかな。あと三橋翔太。

この2人、視点キャラ中では例外的に社会人、つまり「大人」の側*2なんですよね。他のキャラは(子供としての自らの境遇に導かれた)空論に捕らわれていますが、この2人に関しては生活者としての境遇がそれを形作っている。

ライトノベルとしての「読者視点」を提供するのは笹浦耕、枯野透、西満里衣あたりで、それに加え強くキャラ付けされたPC寄りNPCの位置に私市陶子、左右田正義の司令塔組みと在所惟信、渡部亜希穂の軟派組み、ここらまでが言わば主人公パーティー

事件そのものを構成するのが物語の主役たる自殺志願者の徳永準と、仕掛け人の伊隅賢治、そして今後重要となりそうな唯一沈黙を守るメール受信者の温井川賢美。それに徳永の幼なじみの折口歩乃果が絡み。

これに外野の背景側になる先の社会人2人と右翼の頭目な藤堂真澄を加えると

15×24 link two 大人はわかっちゃくれない (15×24 シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)15×24 link one せめて明日まで、と彼女は言った (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-1)
The People(キャラクター紹介) に居る14人に。そこに主犯たる 〈17〉 を加えれば作品タイトルの『15』人に。

ところで、これ表紙が連結画になってるのですが、2巻で5人描かれているということは15人並べるには6巻必要になる勘定。あと4巻あるわけか……。

しかし2巻にしてもうこの15人の物語ではなくなって来ている感じ*3ですし。完結するまでどう転がるやら。

とりあえず、先に期待です。

*1:1巻目にはあとがき有るのに

*2:もちろん年齢についての話ではなく。年齢は全員17歳みたいだし。

*3:ヤクザと土地神(?)の利権の話にシフトしちゃった感が