アニスと不機嫌な魔法使いさん
- 作者: 花房牧生,植田亮
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: 文庫
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- 一幕 アニス、同人誌即売会に出る
- 二幕 シド、売り子する
……いやそれじゃ『A君(17)の戦争〈3〉たたかいのさだめ (富士見ファンタジア文庫)』の田中魔王&フェラール三世国王になっちゃうよ。(笑)
……いえ友人の教育しなおしですよね! 頑張ります!P258 あとがき
再教育が必要な友人氏の人格についてはさておき。
同じ竜(になれるかも)なサポートキャラでもクールデール卿*1と『創立!? 三ツ星生徒会』の水穂さま*2ではえらく立場と性格が違いますね。クールデール卿の方はあくまでも知識面で主人公をサポートするだけの解説役なのに対して、水穂さまの方はメインヒロイン並の立場として主人公を振り回す、『アニスと不機嫌な魔法使い』で言えばシドに近い立場。主人公が女子か男子かという違いによるところも大きいのでしょうけれど。
ただ共通するのは「主人公の道具ではなく対等な相手」というところ。つまり女子向け魔法少女物のサポートキャラに近い位置づけ。これが男子向けのそれだとアイテムであるとかサポートAIであるとか主人公が乗り込むロボットだとか着る/変身するスーツであるとか、普通はそういった存在になる気がする。あるいは対等な存在に近づくとしても『レジンキャストミルク』での主人公城島晶に対する硝子のように無感情系の相方になるか。
女子は「自分を立てながら助けてくれる」存在を欲し、男子は「自分の手足となる」道具を欲する、みたいなイメージ。女子のドラマだと目的が外部から与えられ(というか押し付けられ)自分の「行為」(やるべきときにやるかどうか)が問題になり、男子のドラマだと目的(あるいは欲望)の選択が自分に任されるので自分の「責任」(持つ力の使い道)が課題になってくる。
ちなみに男子向けドラマの構造で主人公が「女子」の感性だと『新世紀エヴァンゲリオン』になってしまい……って『マジンガーZ』と『エヴァンゲリオン』の違いなんてのは既に腐るほど語られてますし余談でもありますから端折りますが。
HJ文庫とかファミ通文庫とか、わりと男子向けと扱われるレーベルでの作品にこういうのが出てくるというのは男子が女子化しているのか、単純に女子の読者の比率が増えているということなのか。
もっとも最近多いパターンは「主人公がヒロインのサポート役」*3という『灼眼のシャナ』や『涼宮ハルヒ』や『ゼロの使い魔』といったあたりのそれか。なのでこの作品のように関係性が魔法少女&サポートキャラのタイプなのはそれと比べれば小数ですけども。
ってまあ『アニスと不機嫌な魔法使い』の本題はアニスとシドの関係であってクールデール卿はあまり関係ないのでしょうからどうでもいい話ではありますか。
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……しかしビアンカ、最初はアニスのサポートキャラの位置になるかと思ったのですがそれはすっかりクールデール卿に取られてしまいましたね。そして友人の地位もマリエルに押されてきてますし。かといって老成した助言者の立場にもなりきれず……個人的には作中で一番好きなタイプなんですが。アヒル娘の身の置き場はどうなるのでしょうか。ジークとのラブコメといってもこの作品の主人公はあくまでもアニスですからそんなに深入りして描かれようもないでしょうし……。
ビアンカはむしろクールデール卿とコンピ組ませて変身美少女物な外伝にでも走った方がいいかも。天然なアニスとのコンビより面白くなりそうだし。(漫才的な意味で)
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