reverse blood v - perfect

リバース・ブラッド 5 (ガガガ文庫)

リバース・ブラッド 5 (ガガガ文庫)

――それが
運命なのでしょう?
さかさまの世界の、終わりのはじまり

perfect !

シュレーバー回想録―ある神経病者の手記 (平凡社ライブラリー)
前巻でやっとプロローグが終わったわけですが。5巻目のこれで本編が始まったらばいきなりの完成度。

リバース・ブラッド」の名の通りの物語。背景となる親の世代での出来事と、シリーズ通しての事件そのものの動機。そしてやがて起こるべき展開への予兆とこれから主人公たちが立ち向かうべき関門と。以後の展開への道筋を過不足なく盛り込んで、それでいて1冊での物語としてもちゃんと完結。*1

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1巻の時点で「期待」はしてましたが、これでもう「確信」に。

この物語は傑作になるだろう……傑作になるはずだ……傑作にならねばならない

過去と現在を交互に描き、単なる空論と見えるものから迫り悲痛な実感にまで至る。『みすてぃっく・あい(ガガガ文庫 い 3-1)』で感じた痛さを、あのときの痛感よりも心の深い部分にクルものと深化されて再び味わうことに。

「Sense Off ~a sacred story in the wind~」オリジナルサウンドトラック&パーフェクトドラマ
ラノベらしさ(というかラブコメらしさ)はすっかり無くなって*2しまっていますけれども。そういう範疇を超えた力作として、圧倒されます。

いよいよ始まった物語。どんな必然を迎えるのか。

……いや、どんな必然を超えるのか、と、期待するべきなのでしょう。

BGM

砂の本 (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)
D

*1:最後の戦闘のケリはついてないですけれども、それはもうどうでもいい、と言える事態になっちゃってますし

*2:あざみがすっかりいらない子に……