LivingDead Fastener Lock

瑞智士記祭り第三弾!*1

怪物王女(1) (シリウスKC)

怪物王女(1) (シリウスKC)

あ、ちがった。これじゃなくて……
ヴァンパイア:ザ・レクイエム (Role & Roll RPG)

ヴァンパイア:ザ・レクイエム (Role & Roll RPG)

……ってこれでもなくてこれこれ。
跪いて足をお嘗め
ひとことで言ってしまえば「既視感ばりばり突っ込みどころ満載のご都合主義的ありがち伝奇アクション」で以上。同じガガガ文庫の伝奇物にも『樹海人魚』や『リバース・ブラッド』みたくそっち方面に突き抜けて*2いる代物もあるわけですから、そこらへんと比べてしまうと凡庸。*3

しかしそれが故にこそ「瑞智士記入門」として見るなら良い作品かも。今までのこの著者の作品ではなまじユニークな故に埋もれていた部分が、伝奇テンプレな凡庸さのため「それのみ」が浮かび上がってきて。

それはつまりこの著者、執拗なまでに「母から娘」関係に執着してるんですよね。この作品でもメイドの初美に執着する主人公「(きのと)」は男子ですが実質ヒロイン役。一方の主役「(きのえ)」の方にも役目の継承としての擬似母娘関係が二重に設定され、そしてもう一人のヒロインについてはそのままずばり……つまりストレートな母娘関係から外す形で執拗に擬似母娘を描いている。不在の母親への渇望、そして生贄としての娘。

これ以前の作品では社会正義やらアンモラルな関係性やらが表面に出ていたせいでスポイルされていた本質が、「伝奇アクション」というそういったものからは自由な形態の作品に持ち出されたせいでよく浮かび出ている、そんな感じがします。

  1. http://ta-eis-heauton.blog.ocn.ne.jp/konouta/2008/12/post_0fd5.html
  2. http://ta-eis-heauton.blog.ocn.ne.jp/konouta/2009/02/post_e167.html
  3. http://ta-eis-heauton.blog.ocn.ne.jp/konouta/2009/02/lfl_4239.html
  4. http://ta-eis-heauton.blog.ocn.ne.jp/konouta/2009/02/post_cf4b.html
  5. http://ta-eis-heauton.blog.ocn.ne.jp/konouta/2009/02/post_cce3.html

screenshot

*1:第一弾 → 戦場のライラプス - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地)
第二弾 → あまがみエメンタール - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地)

*2:いろいろな意味で……

*3:設定解説しながら戦闘するのは「マンガ的」の一言で許せるとしても、偶然に頼った展開なのは批判されるべき部分