キミは、何故生きている?
- 作者: 冬樹忍,魚
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2009/01/31
- メディア: 文庫
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という訳で『私の世界』はこれにて完成です。p298 あとがき
「戦場のライラプス」*1に引き続き良い作品を読んだなぁ。
というわけで「たま◇なま」完結。
「第一回ノベルジャパン大賞」で大賞とってデビューから七巻。ついに「キャラの!」も完結というこの時に同じく完結というのも感慨深いです。
「日常 対 非日常」とか寝言こいてる*2伝奇バトル系ライトノベル*3への批判も孕んだメタフィクション・ギミックについてはさておくとして。
今までの六巻のまったりこたつコメディーがちゃんと意味を持っている、というかそれこそが『最後の使徒』と戦えた根源となっているのは見事。ただだらだらと続いてたわけではなかったんですね。
単純に「努力無しで得られる結果には意味がない」とかのオチを付けてくれていたら投げ捨てていたところですが*4、この展開ならばもう満足。感服です。
「私は願う事しかできなくなるけど、私は永遠に世界に願う」p260
これの後の「エピローグ1」から「あとがき」最終ページ*5までの流れ。「たま◇なま」全七巻はこれを書くためにあったのかも、と思わさせられるくらい。
――実際はそれのみで完結している受賞作から無理やりつなげてシリーズにしたわけですけれども。ちゃんと初期テーマの「その次」まで書けている*6のは立派です。
良い作品を読ませていただきました。*7
余談
「ちゃんと完結できる物語は幸せなのだ」
「分かったような事を言うな」
「世の中には未完の大作が多くてなあ」
「その事にはあまり触れるな」p39
……ちゃんと完結して良かったね。*8
ところでこれTVアニメ化する*9なら各放映での前半全部を使って『ネゴシエーター・リカ』やって欲しいな。それで毎回、それを見ている由宇のシーンから後半を繋げるの。
*1:戦場のライラプス - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地)
*2:読者から見ればハーレムラブコメも中二病バトルもどちらも非日常だし
*3:というかマンガやアニメやゲームも
*4:そんなもんで「エピローグ2」の前提となっている悲劇/悔恨は消し得ないし
*5:「あとがき」まで含めて作品内
*6:そのために六巻もの分量を費やす必要があったわけですが
*7:「透(透明) 対 灰の人」なんて展開も見たかったですけれども、紫の人が代わりになりましたからこれはこれでいいのでしょうね
*8:テーマが共通する「涼宮ハルヒの憂鬱」とか……やはりスニーカー大賞の方は呪われているのだろうか
*9:そんな予定は聞かないけど