TDKIの逆襲

今回 VOCALOID の中の人はオープニングのナレーションのみ。

司会者がカンペに目をちらちらやりながらの喋りで始まったあたりでは脱力感しか感じなかったのですけれども、

今回のコメンテータがちゃんと自分の意見を言える人々だったので見られるものになってました。紹介された動画は前回のTDKIが終わった後から今までの間での作品から4作ということで鉄板作品ばかりと新味はないですからそこらへんは重要。前回のTDKIのも掴みということで中の人司会での動画紹介というのは正解だったとは思いますが、今では状況はより成熟しているので、内容が無いものは一眼だにされないでしょうし。

いきなり力作来たし。原作の『サイハテ』がPV含めすさまじいセンスの作品なので山ほどあるカバーやPVがどれも蛇足と化してしまうのが名作ならではの難点。とりあえずこれの場合「労力」でどうにかしていて『サイハテ』カバー/PVの中では楽しめる部類に入るとは思います。というか、あの曲の場合は受け手の側での「消化」そのものが作品の内、なのでしょうからそのクオリティーを問うことそのものが愚問かもしれませんが。

これはコメンテータの阿部氏も言っていたコメント(字幕)がいいですよね。流れの速いニコニコ動画では成立しないタイプのコメント職人。まあ曲とPVそのものはストレートすぎて歴史に埋もれちゃうとは思う*1けれども、(コメント含め)作っている人が楽しむことが一番。

それと直接関係ない話だけれども、これに出てくる楽器を元にした「あの楽器」*2作るのがニコニコ技術部方面で流行っていてコメンテータの松尾氏も


KORG KAOSSILATOR PK
演奏上げてたりしてますが。X-Yパッドでの演奏というのはある意味「終わってる」代物*3でいまさら感漂うのですが初音ミクがからむと何でも流行に。(つーかここで「ポルタメントしてみる - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地)」とかやってる自分がそれ言うのもなんだけれど)

今回紹介されている作品の中では一番好み。*4

いかにもアマチュアっぽい曲だけれども、それだけにメジャーなメディアではフォローされない系統の作品。「好きなもの集めて作りました」な感じが良。(既聴感ばりばりなのはご愛嬌として)

「せつない」とコメンテータの白川氏に書かれていましたけれども同感。傑作とは呼べないけれども、アマチュア作品として正解な一つの方向だと思う。

これ最初に聞いた時には歌いだし聞いただけで「いいや」とパスしちゃったな。こういうのTV(CM)でよく流れてるよね、的な。まあそれだけに正解ではあるのだろうけれどもメジャーメディアの代替は自分が CGM に求めるものではなかったので。
supercell (初回生産限定盤)
今回初めて全部聞いてみましたが確かに上手。歌いだしを聞いただけで誰にでもそれが分かるメジャー感というのはメジャーな才能のしるしではあるし、もうさっさとプロになっちゃえばいいんじゃないかな。

(阿部氏にも椎名林檎を挙げられていましたが)ミクの声じゃなくてもっと「荒い」感じの歌手によって情感を引きずる感じで歌われたら何回か聞いてみたくなったかも。*5

*1:こういうのは『みくみくにしてあげる♪』だけありばいいんじゃない

*2:あの楽器とは (アノガッキとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

*3:昔からデバイスだけは普及していたのにメインの演奏用途に使われないというのはそういうこと

*4:もちろん『サイハテ』原作の方には及ばないけれども

*5:単なる「仮歌ツール」使ってのことですからこれでも上出来なわけですが