両眼視差 1度毎の距離

■ 左右視差像の同時に融合可能な範囲(融合域)は約2度の範囲であり、この範囲内に、最短距離から最遠距離の視差を収めるよう、撮影する事が必要になります。

立体写真撮影範囲 - 3Dの製作(G2) stereoarea

ということで、立体視動画作る場合は主に視点を置くもの(というか大抵はメインキャラ)の奥手前それぞれ 1度の視差に収まるように配置する必要があります。

その距離はどれくらいになるのか。Python で出力してみました。

import math
print u'|*度|*比|*cm|*mmd|'
for i in range(1, 16):
    L = 1 / math.sin(math.radians(i) / 2) / 2
    print '|*%2d|%05.2f|%06.2f|%05.2f|' % (
        i, L, L * 6.5, L * 0.8125)
cm mmd
1 57.30 372.43 46.55
2 28.65 186.22 23.28
3 19.10 124.16 15.52
4 14.33 093.12 11.64
5 11.46 074.51 09.31
6 09.55 062.10 07.76
7 08.19 053.24 06.65
8 07.17 046.59 05.82
9 06.37 041.42 05.18
10 05.74 037.29 04.66
11 05.22 033.91 04.24
12 04.78 031.09 03.89
13 04.42 028.71 03.59
14 04.10 026.67 03.33
15 03.83 024.90 03.11
italic;">注:cm: 瞳孔間を 6.5cm とした場合のリアル距離
mmd: 1mmd = 8cm として換算した距離

「1度」の上は視差「0度」つまり無限遠なので、1度の距離にキャラを置けば

■ 遠景を含む 一般的な撮影範囲
[間隔:距離、1:50〜1:∞]→[視差角1度〜0度]から、
[間隔:距離、1:30〜1:∞]→[視差角2度〜0度]までの視差範囲(融合域)に設定され、視差角1度の場合「1/50ルール」、視差角2度の場合は 「1/30ルール」と表現されています。

立体写真撮影範囲 - 3Dの製作(G2) stereoarea

と最遠まで同時に認識できる範囲(パナムの融合域 panum's area)に入ることになります。そしてその場合での近景の限界が「2度」の距離。

  • 1度: 57.30 = 1/50ルール
  • 2度: 28.65 = 1/30ルール

ということかな?*1

つまりリアル空間で立体視する――つまり通常の視覚の――場合、3.7メートル離れた物を見る場合は無限遠まで同時に見渡せて、その場合の同時に見られる近景の限界が 1.8メートル、ということになります。*2

そして、より近い距離にキャラを置く場合、その距離の視差角から1度分より遠い位置の物体は透明化するなりボケさせるなりの処理をする必要が出てくる、と。*3

他に「視野角を画角と合わせる」*4等必要な処置はありますが、距離においてはこの範囲を守れば良さそう。

実際問題として遠景を処理するのは手間がかかるので視野闘争が起こるのを許容するしかないでしょうけれど……。

今回の杯動画では検討する余裕が無いですが

D

あたり使えばどうにかなるかも?

*1:「1/50ルール」というより「1/60ルール」の方が近いと思うけど

*2:焦点距離を無視して両眼視差のことだけを言えば、ですが

*3:リアル視覚だったら焦点距離の関係で勝手にボケてくれるのですが……

*4:MMD での適正画角は? - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地)]