2009年下半期ラノサイ杯 投票

締め切りまであと2時間!!

とりいそぎ2009年下半期ライトノベルサイト杯投票です。

  1. 【09下期ラノベ投票/既存/9784094511529】
  2. 【09下期ラノベ投票/新規/9784840130585】
  3. 【09下期ラノベ投票/新規/9784894259461】
  4. 【09下期ラノベ投票/既存/9784150309756】
  5. 【09下期ラノベ投票/新規/9784758041188】
  6. 【09下期ラノベ投票/既存/9784758041003】
  7. 【09下期ラノベ投票/既存/9784797352962】
  8. 【09下期ラノベ投票/既存/9784758040938】
  9. 【09下期ラノベ投票/既存/9784797356359】
  10. 【09下期ラノベ投票/既存/9784797357653】

謎の聖都―グイン・サーガ〈128〉 (ハヤカワ文庫JA)

謎の聖都―グイン・サーガ〈128〉 (ハヤカワ文庫JA)

運命の子―グイン・サーガ〈129〉 (ハヤカワ文庫JA)

運命の子―グイン・サーガ〈129〉 (ハヤカワ文庫JA)

screenshot
やっとのことでラノベの花道“アニメ化”されたと思ったら作者が亡くなっちゃった『グイン』終了は外せません。最近のラノベ界ではデビュー前からアニメ化が動いてるような「売らんかな」な商売が目立ちますがそういうのとは一線を画してますよね。

グインは別格として。『雪風』が傑作すぎたので「たまたまラノベ枠に入っている中での相対的な出来の良さ」みたいなもので顕彰してしまうのがばからしく――それは該当作のみならずラノベに対してにも侮蔑だろうし――なってしまったので、「小説として良い」ではなく「ラノベとして良い」ものを選んでみました。*1

ごくペン! (MF文庫J)

ごくペン! (MF文庫J)

友だちの作り方 (HJ文庫)

友だちの作り方 (HJ文庫)

まずは……これはラノベというよりそのひとつ前の「ティーンズノベル」あたりの感性の作品ですが『ごくペン! 』『友達の作り方』。多分にご都合主義ではありますが、青春の苦悩を直接描くためのラノベ設定。あんまり「上手い」という気はしないけれどもやはりラノベとして世に出して欲しいのはこういう作品。これがネット小説として無料で公開*2されていたとしても多分、埋もれてしまっていたはず。商業出版というのはこういう「世に出すべきもの」を拾い上げるためにこそ必要。(期間外になるけど『ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)』なんかにも同じものを感じました)

這いよれ! ニャル子さん 2 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 2 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 3 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 3 (GA文庫)

GA文庫からネタかぶり*3同時受賞同時デビューした『ニャル子さん』『オルキヌス』*4のシリーズ。色物一発ネタかと思ったニャル子が宇宙刑事ものとして順調に発展して今回はまさかの社会派!*5 そして調停係公務員ものオルキヌスがまさかのバトル展開!*6 中二病どっぷりのセカイ系ラノベもいいけども、やはりこういう成熟(?)した娯楽がメインでなくちゃね。

リバース・ブラッド 6 (ガガガ文庫)

リバース・ブラッド 6 (ガガガ文庫)

リバース・ブラッドプロローグが4巻あるのに本編が2巻て打ち切りですか!? 確かに落ちてはいるんだけども……。まあ暴れ馬観覧車アタックに免じて許すけど。次回作に期待です。*7

カラっぽの僕に、君はうたう。―フォルマント・ブルー (富士見ミステリー文庫)
リパッケージ作ですが『フォルマント・ブルー リミックス』*8。最近、瑞智士記著の作品どかどかっといっぱい出てそれ全部読んでるんですが、一番稚拙なこのデビュー作が一番鮮烈。典型的中二病だがそれがいい。本編になる『カラっぽの僕に、君はうたう。』もそうだけども、著者の後の作品につながるものとしての『皇帝の棲家には、電気仕掛けの歌姫。』も興味深いです。この作者、「百合できゃっきゃうふふ」でなくて、繋がること、繋がっていることの切実、みたいなものがメインで、達成された/達成されるそれ、にはあまり注力しないというか……。(ところで初音ミクのゲーム『Project DIVA』ってひょっとしてこの作品から名前を……いやいやまさか、ね)

円環のパラダイム (一迅社文庫 せ 1-3)

円環のパラダイム (一迅社文庫 せ 1-3)

琥珀の心臓 (富士見ファンタジア文庫)
SF枠には『円環のパラダイム』を。デビュー作『琥珀の心臓』を直接受け継ぐ設定でSFとしても定番なそれのわけですが、やはり瀬尾つかさが書くと依存と執着とそれを前提とした尊厳の、つまり個人的な物語へと。どんなに風呂敷広げてもそのジュブナイルとしての芯が一本通っているからぶれない*9。今期の中で一押しを選ぶならこの作品になるかな。

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)

最良の学習小説にして最高の青春小説『数学ガール』。地に足のついたとはこういう作品をいう言葉。『僕』として数学の課題に対している時には、実際にそれを解釈すべき相手としてのテトラちゃんや教え導く相手としてのユーリや、そして遥か先から導いてくれる憧れとしてのミルカさんが居る。仮想でなく実体としての課題を読者が共有できるというのは、こういうアプローチを外すともう「ゲームとしてプレイする」くらいしかないわけで。こういう作品がいわゆるラノベレーベルからは出てこないあたりやはり、ラノベ枠というのは狭窄しているなと思ってしまいます。*10

……って解説書いてたら締め切りまであと1時間に!

さっさと投票だ!!

*1:「小説として良い」だと『15×24』『ミニスカ宇宙海賊』あたりを入れていたかも

*2:ネットで無料公開というとこんなのも→ http://dash.shueisha.co.jp/rensai/index.html 1巻目でやるなら分かるけど最終巻でやるのって何の意味が?

*3:邪神幻獣のみならず公務員ものということでも

*4:オルキヌスのサブタイトルはずっと「稲朽深弦の調停生活」のままなんだろうか?

*5:リアルSAN値がりがり削られるぅ。こんな世界嫌だ!

*6:いやここまで気の抜けたバトルというのもラノベで他にないかもしれんが

*7:ていうかメイドさん

*8:イラストは富士ミス版のそれの方が「人形っぽくて」良かったかも

*9:似たような設定(あちらは分断ではなく孤立だけど)で同時展開している『白夢』の方は群像化してる分ここらへんちょっと弱い感じ

*10:「少年/少女マンガ」の方がまだ広い気が