歌手音ピコと VOCALOID 新時代

VOCALOID2 SF-A2 開発コード miki
Story【初回生産限定盤】CD+DVD
これが実質「アーティストエディション02」ということになるのかな。

「開発コード miki」の時には AHS とのコラボだったけれども、今度は自前で DB 開発と販売までやる、と。
こうなってくるとメーウの方

もあるいはスターチャイルドが自前で販売、という流れもあり得るかも。
最近 VOCALOID が乱造されているかのように見えますが、実は会社単位で見るとせいぜい1〜2作程度しか出していないんですよね。つまり乱造ではなく新規参入が増えている。

VOCALOID の時代区分をまとめた前の記事

ではちょっと細かく見すぎてしまいましたが、時代区分という点から見れば2010年以前までについては

  1. VOCALOID(1)
  2. VOCALOID2

の 2区分で済んだかも。つまり 2社(ZERO-G, Crypton)が出していた時代と、その 2社が古株で、それに新規 3社(PowerFX, INTERNET, AHS)が加わった時代、の 2区分。
SONIKA

海外製のものに関してはその時代区分毎に各社男声女声 1セット。それに中の人を打ち出した MIRIAM と和製ボカロ(というかクリプトンのCV路線)風な SONIKA という例外が加わる、という構成。

VOCALOID(1)

  • 2004-01-15 LEON, LOLA (ZERO-G)
  • 2004-07-01 MIRIAM (ZERO-G)

VOCALOID2

  • 2007-06-29 SWEET ANN (PowerFX)
  • 2008-01-14 PRIMA (ZERO-G)
  • 2009-07-15 SONIKA (ZERO-G)
  • 2009-12-22 BIG AL (PowerFX)
  • 2010-07-13 TONIO (ZERO-G)

対して和製ボカロですが VOCALOID(1) 時代では最初の MEIKO からかなり間を空けて男声の KAITO が発売。KAITOMEIKO に比べて売れなかった、というのはよく知られるエピソード。*1

VOCALOID(1)

  • 2004-11-05 MEIKO (Crypton)
  • 2006-02-17 KAITO (Crypton)

VOCALOID2 歌愛ユキ
それを反省してか VOCALOID2 でのクリプトンはキャラクター・ボーカル・シリーズというオタ向け声優女声オンリー*2のシリーズで押して行くことに。

新規参入の 2社は順当に男声女声揃えて、それに例外、というか現行全ボカロの中でも特例と言える「子供の声」をサンプリングしたボカロ「歌愛ユキ」が加わる、という構成。

VOCALOID2

VOCALOID2 のここまでは海外製と同様半年毎くらいに 1セット*3のペースを保っていたのですが、

  • 2010-08-25 Lily (Avex, YAMAHA, INTERNET)
  • 2010-09-01 VY1 (YAMAHA, bplats)
  • 2010-10-08 ガチャッポイド (INTERNET)
  • 2010-10-22 猫村いろは (AH-Software)

初音ミク・アペンド(Miku Append)
2010年に入ってから、まず「初音ミク」を持っている人のみを対象の追加DB集「初音ミク・アペンド」が 4月末に発売。その 4ヶ月後、新規参入エイベックスの「Lily」を皮切りにして毎月のように新規ボカロが発売されるという異例の事態に。

ただこれ、先にも書いたように「乱造」ではなく会社が増えているのと発売がかたまったせいでの見かけの現象のよう。

DB制作の会社単位で見るとクリプトン、エイベックス、ヤマハ、インターネット、AHS それぞれ 1つずつ出しているだけ。ピコがソニーだとするとこれも別会社。メーウがどこから出るのか分かりませんが「鏡音リン・レン・アペンド」が滑り込みで入りそうなクリプトンや、VY2 が同じく――なヤマハから出るという目はないでしょうから、各社とも最大でも(2010年中には)2製品しか出さないということになります。

とは言え、恣意か偶然かはともかく和製ボカロ全体で半年毎くらいの発売ペースであった牧歌的な時代は過去のものとなり、多様なDBから好みでセレクトして使う時代がやって来てしまったことは確か。CVシリーズ一本槍*4のクリプトンと男声女声やっと揃えた段階の他 2社な「和製 VOCALOID2 前期」時代がやっと終わり、新しい時代が始まった、と言えそうです。

和製 VOCALOID 時代区分

  1. VOCALOID(1) 創世期: 2004-2006
  2. VOCALOID2 前期(三社鼎立): 2007-2009
  3. VOCALOID2 後期(多社戦国): 2010-


これでボカロも東方――は無理としてもアイマスと張り合える程度にはキャラが増えるかも。
VOCALOID2 ガチャッポイド 初回限定版
もっとも「選択の時代」ではなく「淘汰の時代」になっちゃう可能性もありますが……最近出た製品はどれも個性的ですからとりあえずその心配は無さそうか。*5

でも結局は「初音ミクとその他大勢」というのは動かないのかもね?*6

*1:これ「男声は売れない」みたいに理解されちゃっているけれども、女声オンリーのCVシリーズになってからもシリーズ進む毎に販売数が落ちているわけだから男声女声の問題ではなかったのかも

*2:キャラとしての「男性」はレンが居ますが声の人は女性

*3:鏡音リン・レン Act2」は無償バージョンアップ品なのでカウント外として

*4:まあ 3作だけど

*5:VOICEROID+ 民安ともえボカロとは違うけれども VOICEROID+ の 2製品も面白い展開

*6:ていうか「初音ミクの英語DB出ればボカロP海外進出」とか言っている「識者」が居るのを見るにつけ、初音ミク以外のボカロは意識の外――和製英語DBなら既に巡音ルカというのが出てるのに――なんだろうな、と落胆するばかり