デフラグしたくなる動画
へ参加してきた作品なこれですが、凄!
本編も凄いけれどもニコ割の使い方も凄いよね。これでMMD処女作か。
ツールの使いこなしがまだ甘かったり、モデルの動作がぎこちなかったり、動画エンコードの不備があったりするかもしれないけど、今後の成長を期待しつつ愛あるコメントで対応し、暖かく見守りましょう。
MMD処女作とは (エムエムディーショジョサクとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
いやいやいやいや。MikuMikuDanceは初めてなのかもしれないけれども、他の分野*1では既に充分に経験を積んだ人も居るわけで。
少し前くらい*2から「MikuMikuDance」でタグ検索したのを毎日一通り見てみる、ということをやっていました。「第5回MMD杯」の前まではプレミアム入ってない私でも低画質モードにならずに見られる*3動画が大半だったのですが。MMD杯中は当然としても、終わった後も投稿数・動画あたりの再生数共に上がったまま。全部見てまわるなんて現実的に無理な数に。
また「東方」だの「VOCALOID」だの「アイドルマスター」だのといったメジャーカテゴリーでない純粋にMMD技術を見せる動画*4でも速攻で 500再生を超えてしまう状態で……もう「MikuMikuDance」タグは目安に出来なくなってしまいました。ニコニコ動画におけるキャズムを超えた、ということなんでしょうけれども。
今後は何か別の観測ラインに引っかかった動画だけ選んで見るものになってしまいそうです。*5
第5回MMD杯が原因、というよりもその第5回MMD杯の参加数閲覧数が爆発したことの原因、つまり「Windows100%」誌の記事がまとめられたムック本、独立した入門書籍、そして MikuMikuDance を対象としたモデリングの書籍*6がまとめて出て、MikuMikuDance が「知る人ぞ知る個人フリーウエア」から「メジャーなツール」と認識されるようになり、今まで注目していなかった人にも認識されるようになった。そのことがこうなった理由として大きいのでしょう。
- 作者: かんなP,ラジP,極北P,ポンポコP
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2010/05/11
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- 作者: Jin 驕願
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キャラクターをつくろう! 3DCG日和。 vol.2 - MikuMikuDanceで踊る、ユーザーモデル制作
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3DCG 自体は MikuMikuDance が出る以前からメジャーな存在*7ですから、そのごっそり増えた分というのは CG/動画制作の初心者とは限らないわけで……。*8
実際問題として、3DCGツールとしての機能でならば同じフリーウエアの Blender にも及ばない*9ですからプロ/セミプロがこれをメインに使うことは考えにくいですが。しかしそういう人でも「○○杯」みたいなイベントになら、言わば「MMD縛り」というルールとして参加してくる、ということは充分に有り得ます。
そう、プロユースでは見向きもされなかった VOCALOID が初音ミクのヒットによって「初音で作れば注目される」と認識され古参 DTM ユーザーがメジャー化するために利用されるようになった、というのと同じように。
無論、書籍が出てメジャー化することは全くの初心者にも益のある*10ものですから、初心者への拡大も今後輪をかけて広がって行くことでしょうが。
MikuMikuDance も VOCALOID ランキングが陥っている状況
と似たような状態になって行く、その過渡期に今あるのでしょう。
変化自体はメジャー化することによる必然ですから良くも悪くも無いわけですが。そういう事態であることを認識しておかないと不毛なストレスを抱えることになってしまうかも。
何にせよ「自分で作る」ということそのものに対する楽しみを第一義にしていないと世間の評価に振り回されることに。
ネット歴が長く大したリアクションも無い Webページや blog を延々と続けていて止める気配もない人間*11だと再生数がどうであろうと気にせず続け飽きたら止めるだけの話ですが。CGM 自体が初心者だと CGM 以外の価値観――つまり「売り物になるのが偉い」という実業での価値観――に自ら取り憑かれ自滅してしまう可能性が。*12
まあ「道具は使うものであって使われるものになってしまってはいけない」という一般則を守ればいいだけですが。これは具象的な器具に限らず、世のあらゆる「システム」*13に対して言えることでしょうけれども。
*1:当然それが3DCGである場合も
*2:framemixer.py - 連番 BMP を合成。 - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地) 上げた頃から
*3:つまり「500再生」に行っていない
*4:最近 MikuMikuEffect がらみで技術革新が相次いだので特に多くなっているけれど
*5:最近は代わりに「猫村いろは」タグ追っているけれど。あと昔から追っていた「たこルカ」タグと
*6:多くの 3DCG ツールと違い MikuMikuDance そのものにはモデリングの機能が無く、他のツール(これの場合はメタセコイア)で MikuMikuDance 向けにモデリングする手法が記述されている
*7:8bit機の MSX の頃ですらワイヤーフレームの空戦ゲームとかあったし
*8:怪しいフリーウエアだった頃だとまともな 3DCG ツールを求める層には――プロユースは無論のこと、書店で入門書を漁るような初心者にも――目もくれられなかった
*9:当然ながら金を取って売られているようなソフトには遠く及ばない
*10:というか入門書自体はそれこそが目的ですし
*11:例えば私
*12:「無料」に過度に拘る――肯定的であれ否定的であれ――人間はこの病気に罹患している可能性が高い
*13:企業個人が結ぶ契約だけでなく、国家も法も単なるシステムだ