「ボーカロイド=キャラクター」の時代の終わり

2010年8月31日は初音ミク生誕三周年。

D
screenshot
そして翌日の 2010年9月1日。ヤマハ自身の開発になるキャラクター性を持たない VOCALOID2 VY1 の発売日。

D
三年一昔と言いますが。初音ミクに始まった「キャラクター消費としてのボーカルシンセサイザー」というトレンドも、解体し当たり前のものになる事によってエピックであることを終える時期なのかもしれません。
screenshot
screenshot

既存のキャラクターに VOCALOID 技術を使って声を付ける。キャラクター付けの「手段」としての音声合成
D
そして本来的な「楽器」としての、特定キャラクターに呪縛されない汎用性へと。

その「あたりまえ」にたどり着くために、初音ミクという通過儀礼が必要だったのかも。

D
とはいえこのエピックの只中で、楽曲製作者でも作品投稿サイト運営者でもない第三者である単なる楽器メーカーが倫理や営利的判断を根拠としてその使用に干渉して当然*1という認識が定着してしまった、という負の遺産も残してしまった。*2

いまさら「キャラクターの声」と「楽器としての音声」を分離できたとしてもこの流れは変わらない。

まあ、今さら変えようもないものを云々するよりも、そんなふうに確定した世界のなかでどう振舞うか*3を考えるべきなのでしょうね。

なにはともあれ。誕生日、おめでとう。

D

*1:これは干渉「できる」というだけではなく、干渉「しなければならない」という「責任者」にされることでもある

*2:これはむしろ VOCALOID 周辺の、たとえば UTAU キャラの MMD ユーザーモデル界隈とかで先鋭化してきている。CGM/UGC というのは企業が営利でやるコンテンツのそれよりもはるかに倫理的圧力に対して脆弱

*3:というかもう、どう「悪あがき」するか、かな