きっと真珠湾奇襲攻撃とか決めた連中の頭の中もこんなだったんだろうな

調べたところ、現在の著作権法では、単なる「キャラクタの設定」を著作物として認めていない様でした。もちろん小説は著作物ですし、キャラクターを絵に描いた画像も著作物です。しかし、小説の中に出てくる文字で表現されたキャラクター設定そのものは著作物でない様です。そうなると、ミクやカイトなどのキャラクターを登場させた小説を、弊社に無断で商業出版できてしまう可能性があります。同様にCGM的に生まれたキャラ設定や小説を誰かが商業出版する可能性も出てきます。

「利用規約の変更とピアプロマンガ - ピアプロ開発者ブログ」のコメント「投稿者 クリ☆ケン : 2008年10月31日 20:36」より引用

ええと、著作権で設定される初音ミクの絵の権利の場合、ピアプロで上げられようがはてなダイアリーに上げられようが同様に原著作者(クリプトン/KEI)に帰属するので、それは描いた人との共同著作物になる。ここまではOK?

そしてこのピアプロの規定で設定される商品化優先権は「ピアプロに上げられた小説」のみに設定され、はてなダイアリーやら魔法のiらんどやらに上げられた小説には設定されない(というか出来ない)わけ。これもOK?

ということは。その規定を作ったとしてもユーザーがその小説を「ピアプロに上げる」という愚かな選択を取らない限り、弊社に無断で商業出版できてしまう可能性があります。同様にCGM的に生まれたキャラ設定や小説を誰かが商業出版する可能性も出てきます。 というのを阻止できないわけですね。これもOK?

あの、お膝元のピアプロに上げられればまだ(他社の勝手な商品化に対する)抑止力くらいにはなるものを、わざわざ他の小説投稿サイトに追いやって*1どうするつもり?

そしてこの規定は、事実上(小説同士以外での)コラボを止めてしまいます。(コラボして作った作品全体がこの規定に汚染されてしまうから)

クリプトンのキャラを使ったCGMでのコラボを促進させクリプトンの利益増進をはかるのが(クリプトンが)ピアプロをやる理由だと思っていたのですけれども、どうやら違ったっぽいですね。

2008-11-2 追記:

ピアプロに小説だけは上げてはいけない - つちのこ、のこのこ。(はてな番外地)」でも少し書きましたが、気づいていない人もいるかもしれないので解説を追加。

なお、利用規約では、商用化に関する窓口として弊社が間に立つことを規程しておりますが、だからと言って著作権が弊社に譲渡されるとか言う話ではございません。作品の著作権は、小説を書いたユーザー様ご本人に帰属します。

著作権は委譲されないとしても、この規定によりその作品(及び改稿や派生した作品)はクリプトンが首を縦にふらないかぎり(作者当人含め)非商用利用しかできない存在になります。事実上の共同著作物化ですね。

そして(クリプトンの著作権に由来する)絵や漫画の場合と違い契約によるものですから、もうクリプトン由来のキャラを改稿して外したとしても(その作品の二次作品と認識されるものであるかぎりは)著者はどこかの出版社の新人賞に応募、といった事ができなくなります。つまり作品のアイデアやプロット含めクリプトンに売り渡している契約です。(もっとも著作権の方はいぜんとして作者にあるのでクリプトンが著者にはからず商利用できるわけではないですから、「売り渡す」は言いすぎかもしれませんが)

つまり投稿サイトによくある

  1. 会員は、会員コンテンツに関して、当社が以下の目的のために、国内外で無償で非独占的に利用(複製、公開、公衆送信、展示、頒布、貸与、翻訳、翻案、改変その他の利用を含む)する権利を許諾するものとします。また、当社は上記と同様の権利を当社が指定する者に対して、再許諾ができるものとします。

といった類いの規定とは全く別物であることに注意。

*1:そもそも小説に対しては何の権利も行使できないからこの規定を加えたわけなので、クリプトンはそれを阻止できない